農業は過渡期を迎えている!
農業は、私たちの食卓を支える大切な産業です。皆さんは、農業と言われてイメージする風景はどんなものでしょうか?
大半の人が、「路地で、土を耕し、苗を植え、農薬をやり、水をやり、収穫期になれば収穫して・・・」という風景を想像するでしょう。
もちろんその通り!トラクターやコンバインなど、農業機械の発展により効率を向上してきたものの、基本的な農業の手法は人間が農耕を始めたころから変わっていないのです。
農薬や遺伝子組み換えなどの新技術が開発されては議論の的になってきた歴史もあります。
さらに、農業の歴史は自然との闘いでもありました。台風や猛暑が来ると、野菜の収穫量に影響し、値段が高騰したり品薄状態になったりします。そのたびに多額の経済損失を生んできました。
さらに、世界の国々では砂漠化により農業用地が減少傾向にあります。緊急の課題としては、地球温暖化による、既存農地の減少です。今まで農業ができた土地では野菜が育たなくなりはじめているのです。
「それなら、もっと北の方に行って育てればいいじゃないか」と言う人もいるかもしれないけれども、北上してゆけば、いつかは北の痩せた大地に行き着きます。やせた土地では農業はもはや不可能です。農業は気候だけでなく、土地(土壌)も制限があるので。つまり、何が言いたいかと言うと、「地球温暖化によって、既存の農業が不可能になる時代が必ずやってくるということ」を知っておいていただきたいです。
極端に言えば、農業が機能しないということは、「人類の死」をも意味しかねないのです。
植物工場研究センター副センター長
大阪府立大学 工学部機械工学分野 教授 村瀬 治比古
愛知県出身。三重大学農学部卒業、同大学院農学研究科修了、アメリカミシガン州立大学大学院修了。PhD(工学)、農学博士。平成9年より大阪府立大学農学部(現生命環境学部)教授、平成23年同大学工学部教授。共著に「パソコンによるカルマン・ニューロコンピューティング」(森北出版)、「農業におけるシステム制御」(コロナ社)、「生物生産のための制御工学」(朝倉書店)など。


